CGTN:中国は自国の文化を保存し、伝え、共有するために何をしているのか?
北京、2024年9月27日 /PRNewswire/ -- 壁画修復の専門家であるファン・ザイシュエン氏は、1981年3月31日の夜、敦煌市の莫高窟に初めて到着した瞬間を今でも鮮明に覚えています。
「九層楼から聞こえる風鈴の音だけが非常に神秘的で、興奮のあまり一晩中眠れませんでした。」
莫高窟は、全長1,700メートルの断崖に735の洞窟が広がり、45,000平方メートル以上の壁画と2,000体を超える彩色彫刻を有する、世界最大かつ最も保存状態の良い仏教石窟芸術の遺跡です。
現在60代のファン氏は、40年以上にわたり莫高窟の壁画修復に従事しています。「これまでに、莫高窟の大きな洞窟一つ分に相当する広さを修復してきました」と同氏はCGTNに語りました。
ファン氏は、古代の芸術作品の修復には、世代を超えて継続的かつ細心の注意を払った作業が必要であることを誰よりも理解しています。同氏は、10年目に入ったリー・ユンホ氏のような先輩の保存技術者たちの助けを借りて、技術を磨いてきました。
リー氏は、敦煌研究院で最初の専任文化遺産修復士でした。同氏は1956年からこの仕事に専念しています。
現在、ファン氏は指導者として、自身の知識と経験を学生たちに伝えています。同氏は、若い世代が「莫高精神」を引き継いでくれることを願っています。
ファン氏の弟子の一人であるダイ・チュアン氏は1990年代生まれです。しかし、すでに10年以上にわたり莫高窟の壁画保護に従事しています。「私も敦煌文化の継承を生涯の使命としたいと強く思っています。」とダイ氏は決意を込めて語りました。
中国の習近平国家主席は、2019年8月に中国北西部の甘粛省を視察した際、最初の訪問先として莫高窟を選びました。
同氏は敦煌文化を「世界文明の長い流れにおける輝かしい真珠であり、古代中国のさまざまな民族の政治、経済、軍事、文化、芸術を研究するための貴重な歴史資料である。」と称賛しました。
2022年末までに、敦煌研究院は278か所の洞窟に関するデジタルデータを収集し、164か所の洞窟の画像処理、145体の彩色彫刻と7つの遺跡の3D復元を完了し、162か所の洞窟のパノラマツアープログラムを提供しました。
「根を守る」
古い中国のことわざに「万物には生存と発展の法則があり、それらは根を守ることを知っている」という言葉があります。
習主席もこの考えに共鳴し、文化遺産の保護の重要性をたびたび強調しています。同氏は、中国文明の長寿は、この根本的な「根」を理解してきたことによるものだと信じています。「この根を守る意識があるからこそ、中国文明は今日まで成長し、繁栄してきたのです。」
過去10年にわたり、中国は文化遺産を保護するための制度や政策を強化してきました。
2021年末までに、中国には1億800万点の国有の動産文化財と約76万7,000点の不動産文化財が存在していました。
現在、中国にはユネスコ世界遺産リストに登録された遺産が59か所あり、世界で2番目に多い国となっています。また、中国はユネスコ無形文化遺産リストに43件の項目が登録されており、これは世界で最も多い国となっています。
中国が主導し、20か国を超えるアジア諸国が参加した「アジア文化遺産保護連盟(ACHA)」が2023年に設立され、アジア文化遺産保護の協力促進や、アジア文明の継承と発展を多様な形で推進することに注目が集まっています。
ACHAの枠組みの下、中国は19か国のアジア諸国で33件の共同考古学プロジェクトに参加し、6つのアジア諸国で11か所の歴史的遺跡の保存プロジェクトに関与しています。
ACHAの設立は、習主席が提唱した「グローバル文明イニシアチブ」の重要な一環であり、このイニシアチブは、文明の多様性を尊重し、人類の共通の価値を提唱し、文明の継承と革新を重視し、国際的な人と人との交流と協力を強化することを呼びかけています。
長年にわたり、中国は多様な文明の共存を目指し、具体的な行動を通じてその実現に取り組んできました。中国は、文化、文化遺産、観光の分野で157か国と協力協定を締結しています。
SOURCE CGTN
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